- 機種
- 純水装置 ピュアライトPRシリーズ、超純水装置 ピューリックα(FP-0120α-MT1)
- 施設名
- 国際基督教大学 トロイヤー記念アーツ・サイエンス館
- ご担当者様
- 環境研究メジャー 藤沼良典先生、学生の皆様
- URL
- https://www.icu.ac.jp/troyer/
施設の紹介・内容
国際基督教大学 トロイヤー記念アーツ・サイエンス館は、2022年にオープンした教育研究棟で、多様な学問分野の研究室が集結しています。学生の専攻を問わず、多様な学問分野との交流を生み出せるように設計されており、あえて壁を無くした実験室の一画に、オルガノの純水・超純水装置が導入されています。
自然科学分野の様々な研究活動や、化学や生物の学生実験に、純水・超純水をご活用いただいています。
研究の内容
研究について教えてください。
藤沼先生の研究室では、主に漢方薬として用いられる生薬の一種である「陳皮(乾燥させたミカンの皮)」に関する研究をしています。中でも日本で流通している陳皮の約6割を輸入品に頼っている現状を踏まえ、国内で多く生産される品種であるウンシュウミカンを活用することに焦点を当て、学生ごとに異なる切り口のテーマを持って研究活動をしています。
テーマの例としては、「陳皮の薬効成分の量が、ミカンの品種や収穫時期によりどのように変化するか」や、「ウンシュウミカンの陳皮に含まれる薬効成分の量が、栽培環境や季節によりどう変化するか」といったものがあります。この実験室では、ウンシュウミカンの皮からの薬効成分抽出から成分分析まで、日本薬局方で定められた方法に基づいて実施しています。
国内で生産されるウンシュウミカンのうち、栽培の過程で間引かれる等の理由で廃棄されるものを陳皮として有効活用できれば、陳皮の自給率を高めることができ、かつミカン農家の収入にも繋げられます。
きっかけ・使用感
どのような用途で超純水、純水を使用されていますか?
超純水は主に、陳皮の薬効成分であるへスペリジンを定量するHPLC、LC-MSの移動相の調製に使用しています。試薬調製に用いる器具の洗浄などにも使用しています。
純水の用途は、試料の洗浄や学生実験など多岐にわたります。生物系の実験では培養に用いる試薬の調製に、化学系の実験では各種の機器分析の器具洗浄などに使用しています。
オルガノの装置を採用した経緯を教えてください。
アーツ・サイエンス館の計画にあたり、移転前の棟でいくつかの実験室にまたがって複数導入していた純水・超純水装置を一か所に集約して管理しやすくする構想を持っていました。オルガノの装置は理化学機器ディーラーから紹介を受け、ディーラーを含めた複数回の三者打合せを経て導入を決めました。日本のメーカーでありサポート体制に信頼が置けること、事前の原水水質分析により導入後の消耗品交換頻度が見通せたことが決め手となりました。
良かった点・改善してほしい点
実際に装置を使用してみて、満足している点を教えてください。
初めて装置に触れる学生など、何もわからない人でも直感的に採水することができています。エラーが発報されていてもクイックガイドに目を通すとほぼすぐに解決できます。パネルの表示言語を英語にできるところも、留学生が多いため助かっています。
とくに超純水ディスペンサーについては、ダイヤルでの流量調整も簡単ですし、アームの可動域が広いため直接流し台の上まで伸ばしてかけ流して使えるところが便利です。付属品のフットスイッチも、両手がふさがっている際によく使用しています。
不満な点があれば忌憚なきご意見をお願いいたします。
装置の隣が流し台になっているため、装置やディスペンサーの水はねに気を遣う必要があります。基本的にはカバーもあり大丈夫かと思っていますが、こういった装置は防水性能を高めていただけると使いやすいです。
装置を導入する前後で改善したことがあれば教えてください。
学生実験の際にポリタンク等で純水が大量に採水されることもありますが、以前使っていた装置に比べて精製スピードが格段に速いため、内蔵タンクが空になり採水まで待ち時間が生じるといったことが無くなりました。
また、以前は遠い研究室にある装置から水を汲んで運ばなければならない状況で、純水の採水も構造的に使いづらい部分がありましたが、アーツ・サイエンス館のオープンに伴ってこの装置が壁のない実験室に導入されてからは、いろいろな学生が快適に採水できる環境になっていると感じます。
最後に
国際基督教大学では、学生実験等で大量に採水する純水装置・研究に用いる超純水装置を一か所に集約するべく、純水精製スピードが40L/h以上のシリーズであるキャビネット型純水装置ピュアライトPRと純水装置FP-αを接続してご使用いただいています。
お客様のご要望に応じて別機種の接続にも対応しますので、まずはお気軽にご相談ください。
藤沼良典先生、学生の皆様、ご協力ありがとうございました。