あなたはどっち派?~ボトル水と超純水装置のメリット・デメリット~
皆様の中には、研究・分析用の純水・超純水をボトルで購入している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
最近は、「精製水」「細胞培養用水」などと名付けられている製品も多く見かけます。
このコラムでは、「水質」「費用」の観点から、ボトル水と純水・超純水装置を比較してみました!
少量使用に便利なボトル水
■ボトル水のメリット
・少量購入が可能
試薬メーカー等から販売されている水の多くは100mLから購入ができます。安価で簡単に手に入ることから、水の使用頻度が少なく、一度に少量しか使わないという方に適しています。
■ボトル水のデメリット
・水質の劣化が早い
・1L当たりの金額が高価である
蒸留やイオン交換で精製された水は、実はとても汚染されやすい水です。
開封後は空気に触れることで水中に不純物が混入しますし、未開封の状態でも容器の成分が溶出して汚染を受ける可能性があります。
購入後は水が劣化しないうちに使い切る、もしくは開封直後にすべて使い切る必要があります。
販売されているボトル水の中には、「超微量分析用」「HPLC用」と限定用途向けの製品もありますが、それは開封直後に使用することが前提です。
安定した水質を維持する超純水装置
■超純水装置のメリット
・常に高純度の水が採水できる
・採水時の水質を装置で確認ができる
先程述べたように、純水や超純水のように精製された後の水は、空気に触れるとすぐに汚染され、数時間経つだけでも多くの物質がコンタミします。
一方で、装置だと、必要な時に必要なだけ、フレッシュな超純水を採水することができるので、安定した条件で実験を行うことができます。
採水時に水質が確認できる為、実験の精度や再現性を気にすることなく、安心して実験を行っていただけます。
■超純水装置のデメリット
・装置導入にコストがかかる
しかし、実験用水、実験器具の最終洗浄などの用途が複数ある場合は、ある程度の水量が必要になりますので、
長期的に見るとボトル水を購入するより装置を導入した場合の方がコストを抑えることができます。
まとめ
今回は、ボトル水と超純水装置のメリットとデメリットを「水質」「費用」の観点から比較してみました。
- 少量利用に便利なボトル水
- 安定した水質を維持する超純水装置
使用量や目的に合わせて、ボトル水と純水・超純水装置を使い分け、正しく使用しましょう。