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水処理知識を学ぼう!~紫外線編(2)~

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水処理知識を学ぼう!~紫外線編(2)~

水処理知識を学ぼう!~紫外線編(2)~

水処理知識を学ぼう!~紫外線編(1)~では、紫外線とは何か?紫外線の2つの役割とは?について紹介しました。
今回は、殺菌ランプと酸化ランプの原理について、詳しく見ていきましょう!

「殺菌」のためのUVランプとは?

 

殺菌UVランプには、微生物中の核酸(DNAやRNA)の一部を変化させて増殖能力を抑える技術を利用しています。専門的には、これを不活化と言います。

この現象は、UVと核酸による一種の光反応です。紫外線の電磁波(光子)が菌細胞の核酸に吸収され、核酸を構成する塩基と化学反応を起こすことで、核酸の機能を失わせています。

図1で分かるように、波長が260nm付近の時に最も核酸の吸収があります。また、微生物の不活化曲線のピークは260nm付近です。

このことから、260nm付近の波長の出力が高い低圧水銀ランプやUV-LED等が殺菌に利用されます。

殺菌タイプのUVが搭載されている純水装置は、こんな人におすすめ!
・生菌、バクテリアを気にする方
・バイオ系実験(細胞培養)を行う方
・精密洗浄をする方

「有機物酸化」のためのUVランプとは?

 

酸化UVランプには、水(H₂O)を・OHラジカル*¹に変化させて、有機物を有機酸またはCO₂に分解する技術を利用しています。水の吸収波長は150nm付近にあると言われ、この波長に近づければ・OHラジカルの発生は効率的になります。

しかし、ランプに用いている石英管や水の光吸収で、波長を短くすると光の届く範囲(=有機物を分解できる範囲)が少なくなり、有機物の分解効率が下がる事もあります。

このことから、現在は主に180nm付近の波長の出力が高い低圧水銀ランプやエキシマランプなどが利用されます。
*¹ ラジカル:不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのこと。

酸化タイプのUVが搭載されている純水装置は、こんな人におすすめ!
・A4グレードの水を求める方
・TOC値を気にする方
・有機物分析を行う方
・精密洗浄をする方

まとめ

今回は、殺菌ランプと酸化ランプの原理について解説しました。

  1. 「殺菌」のためのUVランプとは?
  2. 「有機物酸化」のためのUVランプとは?

ご使用中の純水装置に関するお悩み事、水に関する疑問、読んでみたい記事などがあれば、こちらから受け付けています!お待ちしています!

 

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