水処理知識を学ぼう!~紫外線編(1)~
水処理の過程では、紫外線が使用されていることをご存知でしょうか?
そもそも紫外線とは何なのか?紫外線がどのような役割を果たしているのか?について解説します!
紫外線(ultraviolet)とは?
太陽からの日射は、波長により「紫外線」「可視光線」「赤外線」の3種類に分けられます。
図1 日射の種類
気象庁「紫外線とは」ページ内画像を加工して作成
その中でも紫外線は、人間の目が光として唯一認識できる光(可視光線)よりも波長の短いもののことを指します。
ちなみに、私たちが普段目にしている光は図1 のように、赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫の俗にいう7色から構成されており、紫外線は可視光線で最も波長の短い紫色より更に波長が短く、紫の外側に位置することから紫外線と呼ばれているそうです。
では、紫外線について更に詳しくみていきましょう。
図1で分かるように、紫外線と一口に言っても波長によって更に細かく分類されています。
紫外線の種類 (波長:100~400nm)
表1 紫外線の種類
長波長からUV-A(315~400nm)・UV-B(280~315nm)・UV-C(100~280nm)と大別されています。
太陽の日射には、可視光線に加えて紫外線も含まれていますが、地上に届くのはUV-AとUV-Bになります。私たちが普段日焼けをした時に紫外線と呼んでいるのは、これらに当たりますね。但し、UV-Bは波長が短い分、オゾン層や上空の層に阻まれてしまうため、UV-Aに比べると地上に到達する量は多くはありません。波長が短いほどエネルギーが強く、UV-Bに当たると肌が真っ赤に焼けたり、炎症を起こしたりする可能性があります。UV-Cは、波長がさらに短く地上には到達しません。水処理においては、殺菌用途として利用されています。
では、そもそも水処理においてなぜ紫外線ランプが必要になるのでしょうか?
なぜ純水装置に紫外線が用いられているの?紫外線の役割とは
紫外線には2つの役割があります。
①水中に存在する菌を殺す | ②水中に存在する有機物を酸化分解する |
なぜ水中に菌が存在するの?→水道原水中には様々な病気の原因となる微生物が含まれていることから、殺菌目的で塩素が含まれています。 | なぜ水道水中に有機物がたくさん含まれているの? →地球上の水は、海水の蒸発→降水→雨水として地上 |
なぜ菌を除去する必要があるの?→研究・実験精度に悪影響を及ぼすためです。 | なぜ有機物を除去する必要があるの? →研究・実験精度に悪影響を及ぼすためです。 |
まとめ
今回は、紫外線の基礎知識と役割について解説しました。
- 紫外線とは?
- なぜ純水装置に紫外線が用いられているの?紫外線の役割とは
水処理知識を学ぼう!~紫外線編(2)~では、紫外線ランプの役割(殺菌と有機物酸化分解)について掘り下げます!