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有機フッ素化合物(PFAS)とは? 基礎知識と最新動向をご紹介

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有機フッ素化合物(PFAS)とは? 基礎知識と最新動向をご紹介

有機フッ素化合物(PFAS)とは? 基礎知識と最新動向をご紹介

みなさんは有機フッ素化合物(通称PFAS-ピーファス-)をご存知ですか?多くの化学的性質を持つことから、あらゆる製品の高性能化・高機能化に役立てられています。その一方で、人体や環境に対しての有害性が指摘されており、世界的な環境問題として注目を集めています。このコラムではそんなPFASの基礎知識をご紹介します。

PFASの特徴と主な使用用途

世の中に存在する数千種類の有機フッ素化合物を総称してPFASと呼びますが、物質によって様々な性質を持っています。例えば、熱に強い、水や油を弾く、燃えにくい、汚れを防止する等が挙げられます。私たちの身近なところでは、焦げ付きにくいフライパンの表面処理剤、自動車のコーティング剤、消火器に含まれている消火剤などに使用されています。

なぜPFASが問題視されているのか。

有機フッ素化合物は化学構造上、炭素とフッ素が非常に強い力で結びついています。そのため自然界では分解されず、海や土壌に堆積することで、循環系に長期間残存し続けます。実際に日本国内でも、東京・多摩地域や沖縄県内で、水道水に使用している井戸水から基準以上のPFASが検出された事例もあるなど、私たちの飲み水にまで影響が及んでいるのです。

世界と日本の動き

2023年3月、米環境保護局は飲料水におけるPFASの生涯健康勧告値(生涯飲用し続けても健康に影響がないとされる値)を70pptから4pptへ大幅に厳格化する案を発表しました。これを受け、日本においても水道水質基準におけるPFASの暫定目標値(現在:50ppt)の見直しが検討され始めています。近年のこうした動きから、研究・検査業界でもPFAS分析が活発になりつつあります。

PFAS分析に使用する水

分析対象物質がブランク水やサンプル希釈水に混入していると、正しい結果を得ることができません。そのため、分析に使用する水の純度は、測定する試料の濃度レベルよりもさらに低濃度である必要があります。

オルガノではPFAS分析に使用できる超純水装置をご用意しています。装置から採水される超純水のPFAS濃度を測定した結果、代表的な物質であるPFOS , PFOA , PFHxS , PFHxAは全て定量下限値未満であり、安心して分析に使用できるといえます。

EPA Method 537.1による多項目分析の結果はこちらからご覧になれます。興味のある方は是非ご覧ください。

いかがでしたか?今回は有機フッ素化合物について解説しました。

※本記事は下記を参考にして作成しています。

・経済産業省「米国及びEU等における内分泌かく乱物質の規制動向」レポート

・琉球新報 2023.3.16記事

・日刊工業新聞 電子版 2022.06.30 https://www.nikkan.co.jp/releases/view/140300

・日本貿易振興機構 https://www.jetro.go.jp/indexj.html

・欧州化学物質庁 https://echa.europa.eu/hot-topics/perfluoroalkyl-chemicals-pfas

・米国環境保護庁 https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-plans-wastewater-regulations-and-studies-including-limits-pfas-new-study

 

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