水処理の基礎!水の純粋さを測る指標:電気伝導率と比抵抗とは?
不純物が取り除かれた極めて高純度な水を「純水」や「超純水」と呼びますが、
何を基準に水の純度を判断しているのでしょうか?
今回のコラムでは、水の純粋さを測る指標「電気伝導率」と「比抵抗」について解説します!
「電気の流れやすさ」が水の純度を決める?!
小学校の理科の授業で、水溶液と豆電球を使った実験をしたことはありませんか?
水道水では電気がつきませんが、食塩水では豆電球の電気がつきます。これは、食塩(電解質)から電離した「イオン」が電気を通す役割を担っているからです。溶液中に含まれるイオンが多ければ多いほど、その液体には電気が流れやすくなります。
理科の実験において、水道水では豆電球が付きませんでしたが、実際には水道水中にもイオンは存在しており、微弱な電気が流れています。このように私たちは、水溶液が電気を通す性質を用いることで、水の純度を把握しています。
電気伝導率と比抵抗率
電気伝導率は、物質中の電気の流れやすさを表す値です。溶液中に含まれるイオンの量に比例して、値は大きくなります。
一方で、物質の電気の通りにくさを表す指標として比抵抗率があります。溶液中に含まれるイオンが少ないほど電気を通しにくいので、値は大きくなります。この電気伝導率と比抵抗率は逆数の関係にあり、比抵抗率は電気抵抗率、電気伝導率は導電率と呼ばれることもあります。
水の中の不純物を取り除き、水が純粋なH2Oになればなるほどイオンは少なくなり、電気伝導率は小さくなります。一般的な水道水・市水の電気伝導率は100μS/cm以上、純水は1μS/cm以下です。
ここから不純物を更に取り除き「超純水」と呼ばれる純粋な水になると25℃で約0.054μS/cmと、とても小さな値となります。半導体製造用超純水など、徹底的にイオンを取り除いた超純水の純度を表す際は、この小さな変化を見逃さないよう、逆数である比抵抗率(18.24MΩ・cm)を指標として用います。
まとめ
今回は、水の純粋さを測る指標「電気伝導率」と「比抵抗率」の基礎についてご説明しました。
- 「電気の流れやすさ」が水の純度を決める?!
- 電気伝導率と比抵抗率
次回のコラム「水処理の基礎!電気伝導率の仕組み編」では、電気伝導率の測定原理について解説します!