column
水処理の基礎!電気伝導率計の仕組み編

- お役立ち情報 -

水処理の基礎!電気伝導率計の仕組み編

水処理の基礎!電気伝導率計の仕組み編

前回のコラムでは、水の純粋さを測る指標「電気伝導率」と「比抵抗」についての基礎的な知識をご説明しました。
では、どのようにして電気伝導率は計測されているのでしょうか。
今回のコラムでは、電気伝導率の仕組みについて解説します!

電気伝導率の測定原理

電気伝導率計の多くは、溶液に浸した電極間に電気を流すことで電気の伝導率を測定することを原理とします。
水溶液の場合は、電極間の距離を1cm、対向面積1cm2の立方体を想定した液体の電気伝導率として考える場合が多く、その単位はμS/cmです。電極の形状は、平板に限らず平行棒や同軸棒形状をしていることもあり、また電気信号は分極を防ぐために直流ではなく交流信号を用いています。

また、ラボ分野で使用される純水装置の多くは、電気伝導率計とその数値表示パネルを備えており、利用者自身が水の純度を把握しやすいものとなっています。

電気伝導率と温度の関係

水溶液の電気伝導率は温度に依存するため、通常は水温も同時に測定し、ある温度での値を表示しており、これを温度補償と呼んでいます。

温度補償の方法には二通りあり、一つは塩類の電気伝導率と温度の関係から求めた温度係数での補償を行うものです。
厳密にはイオン種により温度係数は異なりますが、塩化カリウム又は塩化ナトリウムの特性を代表として補償しているケースが多く、その係数は1℃あたり約2%程度です。

もう一つは、水自身の解離による水素イオンと水酸化物イオンの影響を補償するものです。
水の純度の高い(溶解する塩が少ない水溶液)超純水では特に影響が大きくなるため、この解離による電気伝導率の変化の補償も併せて行っています。

まとめ

今回は、電気伝導率計の仕組みについて解説しました。
電気伝導率計は簡単に扱うことができ、海水のような不純物を多く含むものから、純水のように不純物を取り除いた水溶液まで測定できます。
電気伝導率は、溶液の性質や純度を知るための大切な指標として、水処理の様々な分野で用いられています。

1.電気伝導率の測定原理

2.電気伝導率と温度の関係

関連する情報