5分で分かる!純水製造の基本プロセスと水処理技術のご紹介
多岐にわたる業界で使用される純水ですが、どのような技術で精製されているかご存知ですか?
今回は、水道水から純水を造るまでの水処理プロセスと、利用されている技術をご紹介します。
活性炭フィルターによる処理
水道水は透明に見えて、実はたくさんの不純物が含まれています。中でも殺菌目的で水道水中に添加されている塩素は、水処理プロセスにとって厄介者です。
そこで、一般的な水処理プロセスでは、初めに活性炭フィルターを設置することで水道水中の残留塩素を除去します。
残留塩素が残っていると、この後段に設置されるRO膜やイオン交換樹脂を劣化させてしまうため、処理性能が著しく低下してしまいます。
水処理において活性炭フィルターを定期交換することが、水質を維持するうえで最も重要と言えます。
RO膜(逆浸透膜)処理 (Reverse Osmosis)
浸透圧を利用して非常に緻密な膜でろ過をします。このRO膜では水中のイオン類の90%以上を除去することができ、イオン化していなくても分子量の大きな有機物や微粒子もまんべんなく除去できます。
RO膜が経年劣化や化学劣化すると、急激に処理水質が低下します。また、不純物によって膜が閉塞すると、配管内に高い圧力がかかり、処理水量が急激に減ったりします。
除去された不純物は濃縮され、排水として捨てられます。
イオン交換処理
イオン交換樹脂を用いて、水中に含まれるイオン類を化学的に除去します。
イオン交換樹脂は、直径1㎜弱のプラスチックでできた球体で、内部にイオン交換基を持っています。
このイオン交換基はあらかじめ水素イオン(H+)もしくは水酸化物イオン(OH-)を保持していて、水中のナトリウムイオン(Na+)や塩化物イオン(Cl-)等と置き換得ることができます。
この現象を「イオン交換」と言います。
省エネルギーかつ簡単に大量の処理水を得られるので、水処理において頻繁に用いられる技術です。
一方、処理できる量に制限があるのも特徴です。全てのイオン交換基が置き換わった状態(飽和状態)では水を処理できません。
樹脂が飽和した場合は、新しい樹脂に交換、もしくは酸・アルカリによる再生が必要です。
まとめ
いかがでしたか? 今回は基本的な純水製造プロセスと水処理技術についてご紹介しました。
- 活性炭処理
- RO膜処理 (Reverse Osmosis)
- イオン交換処理
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