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化学分析において「水」が重要な理由とは?

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化学分析において「水」が重要な理由とは?

化学分析において「水」が重要な理由とは?

化学分析はあらゆる物質の中に「なにが」「どれだけ」「どのように」「あるのか」をあらゆる方法を用いて明らかにしていくことです。
この化学分析において、「水」がとても重要であることはご存知ですか?
今回は高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いた分析手順を例に、「水」がどこで用いられているのかをみてきましょう!

ブランク測定のためのブランク水

ブランク測定とは、簡単にいうと装置を使える状態(フラットな状態に)にするための操作です。
分析装置は実験室の共通設備のため、装置に何らかの問題がある可能性があります。
そこで、初めに、ただの水だけで測定する「ブランク測定」を行います。
ここで使用する水を「ブランク水」と言います。汚染されている水を使用すると、クロマトグラムにゴーストピークが現れたり、ノイズが見られたりします。

検量線作成に使用する標準溶液調製用水

検量線とは、測定結果を定量するために必要な計算式(グラフ)のことです。
HPLCのクロマトグラムからは「時間」と「信号値」の値が読み取れます。
検量線は、その「信号値(強度、吸光度、カウント・・・)」を「濃度(量)」へ変換する重要な役割があります。
この検量線を作成するためには、複数の異なる標準溶液を調製する必要があり、純度の高い水が必要です。

サンプルを希釈する希釈用水

分析装置はとても繊細な精密機器のため、濃度の濃いサンプルを注入すると装置内部の配管汚染や分析精度の悪化、カラムの詰まりの原因となります。そのため、多くの場合は分析装置の感度に合わせてサンプルを水で希釈してから分析装置に注入します。
この希釈に使用する水も、不純物を限りなく取り除いた「純水」もしくは「超純水」である必要があります。
希釈用水に分析対象物質が混入していた場合、正しい結果を得ることができません。

溶離液(移動相)の調製用水

HPLCには溶離液(移動相)というカラムに試料を導入する溶媒を用います。
代表的な溶離液として、アセトニトリル水溶液やメタノール水溶液がありますが、分析目的や対象物質によって種類や濃度が異なります。
この溶離液の調製にもきれいな水を使用します。

まとめ

いかがでしたか?今回は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いた分析手順を例に、「水」がどこで用いられているのかご説明しました。
この他、使用した器具の洗浄用水にも水が使用されます。

  1. ブランク測定のためのブランク水
  2. 検量線作成に使用する標準溶液調製用水
  3. サンプルを希釈する希釈用水
  4. 溶離液(移動相)の調製用水

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