分析・研究には「A4グレード」以上の水が必要?水の規格 JIS K0557:1998
分析・研究に従事されている皆さんの中には、果たして実験に対して水質が適切か、
何となく装置から出でくる水を使用しているので水のグレードは意識したことが無いという方も多いのではないでしょうか?
今回は、水の規格 JIS K0557:1998の基礎知識と分析・研究に必要な水のグレードについてご説明します。
JIS K0557:1998 用水・排水の試験に用いる水の基礎知識
JISとは?
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)とは、日本の産業製品に関する規格や測定法などを定めた国家規定です。
自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについて、国レベルである一定の基準を設けることによって全国的な「統一」をしています。
JIS K0557:1998 用水・排水の試験に用いる水とは?
(Water used for industrial water and wastewater analysis)
表のように、用水・排水の試験に用いる水は、種別及び質によりA1~A4のカテゴリ分けで定義されています。
試験方法によっては異なるグレードの水を選択することも可能です。また、試験方法によって使用する水のグレードに規定がある場合、その規定に準拠し試験を行った方が良いでしょう。
分析・研究に必要な水のグレードは?
各種分析に用いる水はJIS K055:1998 「A4グレード以上」と規定されていることが多いですが、その水質規格に合致していればどの水を使用しても問題はありません。
しかし、実際にはA4グレードの水を使用してもゴーストピークやノイズが出る場合があります。
その理由は、A4グレードに規定される電気伝導率(<0.1µS/cm)、TOC(<50 ppb)では不十分な場合があるためです。
分析装置の感度にもよりますが、弊社では18MΩ・cm以上、5ppb以下の水を使用することを推奨しています。
同様に、A2やA3グレードの水で十分とされている試験でも、先に述べたようなゴーストピーク等の現象がみられ、試験の結果に影響を及ぼす可能性があります。
比抵抗値やTOC値といった水質の値に注意を払い、試験の目的により、適切な水を選択することで一定の結果が得られます。
まとめ
いかがでしたか? 今回は、水の規格 JIS K0557:1998の基礎知識と分析・研究に必要な水のグレードについてご説明しました。
JIS K0557:1998 用水・排水の試験に用いる水の基礎知識
- 分析・研究に必要な水のグレードは?
弊社ではA1~A4の全ての規格に応じて、純水・超純水装置を幅広くラインアップしておりますので、より詳しい情報が必要な方はこちらからお気軽にご相談ください!